2016年4月19日火曜日

[4IIMANIA] 「Metal Resistance」レビュー

BABYMETAL:「Metal Resistance」

デヴィッド・ヘイター(2016年4月19日)




はじめてBABYMETALのアルバムの再生ボタンを押すと、素晴らしい喜びが待っている。ギターは暴れ、拳を掲げ、そして突然コントラの殺人ガンマンがキノコの王国を暴れ回って、視界に入るすべてをぶっ飛ばして回るのだ。メタルの叩きのめすような激しさと神話のような仰々しさに、Jポップの甘さを溶け合わそうという決意は、変わらず目先が利いているし、人の心を惹きつける。フロントの三人、スゥメタル、ユイメタル、そしてモアメタルは、Jポップのお約束を自在にし、バック・バンドは変わらずタイトで強烈だ。どちらのサウンドも片方だけではうまくいかない。フックはCLやKポップの一番良いものに比べると古びていて、遠慮深いものだし、メタルの部分は指が避けそうな複雑さだが職人っぽい。こうした10点中7点的なサウンドが一つになると、それぞれを足し合わせたよりもすごい何かを生み出す。

本当の先見は、メロディー、フック、そしてアレンジのインタープレイにこそある。BABYMETALはコピーアンドペーストのロック・バンドではない。まず疑問の余地もなく、いまメタルで最高のフックを書いている。同様に、カーリー・レイ・ジェプセンの素晴らしい"Boy Problems"から重いギターを削ったところで、ほとんど何の役にも立たないだろうし、幻想的なアレンジを減じるだけだろうと、曖昧に述べておくのが良いだろう。BABYMETALのポップは、軽くて、妖精のようかも知れないが、巧みに潜在的なファン層に呼びかけけながら、夢中にさせるよう特注されている。(これは才気に満ちた、収集的なサウンドなんだ。)

"The One"の英語バージョンは、多くがそうではないかと疑っていることを暴露するかもしれない。言語の壁がなければ、BABYMETALは最悪の時のDRAGONFORCEのように卑屈に響くと。だがこれはバンドが繰り返さないように注意を払うようなミスだ。他にも欠点はある。ところどころ、メタル自体が行き過ぎている。(救いようのない偽の技術用語に満ちた、どうしようもないハッキング映画に対するサントラのように響く、エレクトロニクスで押し潰すような'90年代の残り物。)最後に、ポップとメタルの間の融合が抜け目なく行われているが、実際の作曲は、アルバムのより大胆な瞬間に脱線している。"Tales of the Destinies"は(獣のようなグロウルが臆病そうな叫びと戦っていて)ボーカル的には絶対的にとても面白いのだが、エピックの壮大さを求めるあまり、スムーズな流れや音的な一貫性が失われている。

それでも、こういった不満は、優れた、本当に楽しいアルバムを傷つけることはできない。BABYMETALは懐疑主義を呼ぶかも知れないが、自分たち自身、そしてその音楽を真面目に受け止めている(ユーモアや、遠慮がちの参照や笑いの余地はあるが、皮肉や恥の余地はない)。なお良いことに、成長の余地がまだまだたくさん残されている。CHILDREN OF BODOMやポール・ギルバートから、船乗りロックやより野蛮なニューメタルの側面まで、何でもまねるかも知れないが、まだ自分自身のサウンドを定めてはいない。「Metal Resistance」でまとめようと苦労した7分のエピックを届ける術を見つけてはいないし、その逆をすることもできる。脂肪を削って、より攻撃的に的を絞ったアレンジに支えられた、滑らかで、きらきらしたポップ・ソングを作ることだ。当面、この三人組は、モダン・メタルでもっとも甘いフックと最高のメロディーを提供しながら自分たちのビートに合わせて踊ることに満足しているのだろう。 [8.0]

▼元記事
http://411mania.com/music/the-rock-review-round-up-weezer-deftones-more/


4 件のコメント:

  1. ヘイターじゃないじゃん

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  2. ハイターかな

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  3. 要するにこの評者の古くて鈍い感性では新アルバムの斬新さは理解不能、でも他媒体の評価はすこぶる高い、そこで低評価する勇気は無いので仕方なく高評価はするけど頑張って難癖も付けてみました、みたいな文章だな。

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