2016年4月18日月曜日

[AMN] BABYMETAL:「Metal Resistance」レビュー

BABYMETAL – Metal Resistance(アルバム・レビュー)

マーティン・ミチー(2016年4月1日)




BABYMETAL、人々が愛し、同時に憎むバンド。もし真のメタルを少しばかり真面目にとらえすぎているなら、少なくとも一度は、ソーシャルメディアにこのバンドに関する否定的なコメントをポストしたことがあるだろう。だが、本当のところ、この日本の現象がどれだけ作り物であったとしても、その音楽自体はものすごく素晴らしい。BABYMETALのバッキング・バンドは、このアルバムで絶対的な音楽的技巧を披露しているので、ヘイターの間でも注目を集めざるを得ないだろう。「Metal Resistance」には、収録曲数とほぼ同じだけの異なった音楽スタイルが存在する。バンド名を冠したアルバムは、アイドル音楽とメタルの混合物だったが、このセカンド・アルバムはもっと洗練された感触だ。確かにものすごくカワイイ日本人の十代の女の子たちというギミックは変わらないが、このアルバムは、前作よりもより純粋にメタル指向となっている。

このアルバムの音楽スタイルのトータルな融合を魅力的に感じる。これは簡単にひどい有様になりえたはずだが、BABYMETALは、ありふれたバンドとは違う。優れたソングライターとプロデューサーのチームに支えられ、バンドはこれを機能させた。"Karate"や"Sis. Anger"のような純粋なメタルの爆発の優れたミックスもあるが、同時に"META メタ太郎"では、ELVEITIEのスタイルもものにしている。"ヤバッ!"ではギター・ポップの実験の中にスカのヒントもあり、カワイイ女の子たちが"GJ!"でラップを始めた時には、スタイルのミックスのピークがきたとさえ思ったが、そうはならなかった。

このアルバムで最も予想外だったのは、一番良い曲が最後に取ってあったことである。"No Rain, No Rainbow"は、素晴らしいと同時に驚きでもあった。BABYMETALが、遠大なロック・バラードを演奏するのを聞くことになるとは考えたこともなかったし、さらに良いことには、完全にうまくいっているのだ。これはものすごくわざとらしいのだが、それでもうまくいっている。"Tales of the Destinies"はアルバムのベスト・トラックだ。プログレの領域に挑み、この曲はDREAM THEATERの多くのマテリアルに対抗する。ここでは三人の少女たちは一歩下がり、素晴らしいバンドを完全に輝かせる。アメリカ盤ではボーナス・トラックとなっている"The One"は、女の子たちがはじめてすべて英語で歌っている。これは商業的には大成功だと思う。他の曲よりも少し軽く、明らかに米国市場でBABYMETALの地位をさらに高めることを目指しているのは明白だからだ。

最初にこのアルバムを聴き始めたときには、何の期待もしていなかった。デビュー・アルバムには良い曲("ギミチョコ!!"、"メギツネ"、"紅月")があったが、多くの良くない曲もあった。対照的に、「Metal Resistance」は曲の寄せ集めというよりも、ちゃんとしたアルバムだと感じられる。曲の多様性を考慮すれば、これはそれ自体として大きな達成だ。

「Metal Resistance」は私の2016年のトップ10リストに入る可能性が高いし、そこらにいる真のメタル戦士にとっては絶対的に恐ろしいことに、BABYMETALはここに留まると思う。

8/10

▼元記事
http://amnplify.com.au/cpt_reviews/babymetal-metal-resistance-album-review/


0 件のコメント:

コメントを投稿