2016年5月18日水曜日

[Live in Limbo] シカゴ、ハウス・オブ・ブルースのBABYMETAL

シカゴ、ハウス・オブ・ブルースのBABYMETAL

ダニエル・ボサースキー(2016年5月17日)

日本のアイドルバンドが、西側のオーディエンスに対して大きなブレイクスルーを実現することは珍しいことだが、変わったBABYMETALは、これを達成し、母国の外の世界中で会場をソールドアウトにしている。バンドは現在、アルバム、「Metal Resistance」をサポートするワールド・ツアーの最中で、5月13日にはイリノイ州シカゴのハウス・オブ・ブルースを訪れた。

BABYMETALを良く知らないのなら、そもそもどこにいたんだということになるが、グループは、2014年に紹介されて以来、どんどん話題となっていった。BABYMETALは基本的に、一部は標準的な日本のアイドル・ポップ・トリオであり、一部は技巧の高いメタル・バッキング・バンドである。そのリフはあまりにハードなので、これがカワイイダンスとポップなボーカルとマッシュアップするとは予想もしないだろう。たぶん、本当にうまく行っていて、オーディエンスの関心をひきつづけているのはこのすべてが新しいものだからで、そのことはハウス・オブ・ブルースのソールドアウトの観客が示していた。

強烈なツーバスでいっぱいの"Babymetal Death"でショーをスタートした、ユイメタル、モアメタル、そしてリード・ボーカリストのスゥメタルのトリオは、そのメタルのペルソナにふさわしい赤い照明を浴びながらステージに登場し、ファンからの大きな声援で迎えられた。バンドは、予想外のヒップホップの影響を受けた"いいね!"、気楽な"ギミチョコ!!"、否定しがたいキャッチーなコーラスで一杯の最新シングル、"Karate"、そしてバンドが録音した唯一の英詞のナンバーであるパワー・バラード、"The One"などの曲を力強く演奏した。ステージに戻ってのアンコールは「Metal Resistance」で、ゆっくりと始まり、途中で次第にスピードを上げ、この晩の観客の熱狂とモッシュのハイライトとなった。才能あるバッキングの神バンドもステージの前に出る時間があり、印象的なソロとこの風変わりなバンドのメタル・パートを担当する技巧を披露した。

言語の壁であれ、演奏への集中であれ、ショーの終わりまで、女の子たちは、短い「ありがとう」や「またね!」以外は観客に話しかけず、おしゃべりに時間を掛けすぎることもある他の日本のポップ・バンドの一部とは対照的だった。ここで中心となっていたのはノンストップのメタルであり、バンドは1時間半近く演奏を行った。音楽は楽しめるもので、楽しませるものでなければならないが、BABYMETALは、この使命を果たしている。典型的なメタルのシリアスさから脱して、BABYMETALは、何か違っていながら、同時に懐かしいものを創り上げた。この晩の観客の中にはショー全体を真面目に取り過ぎたファンもいたが、グループは観客の関心を保ち、常に期待に応えるライブ演奏に戻り、メタルを世界に届けるという目的を達成した。

バンドは、夏を通じて、一連のヘッドライナー・ショーとフェスへの出演によるワールド・ツアーを続け、9月19日の日本の東京ドームにおける最終公演でツアーを終了する。

▼元記事
http://www.liveinlimbo.com/2016/05/17/concert-reviews/babymetal-at-house-of-blues-chicago.html


5 件のコメント:

  1. 翻訳感謝です!動画や参加された方のレポでの熱さとは離れて、やけに真面目な俯瞰みたいな解説ではありますね。

    返信削除
  2. >観客の中にはショー全体を真面目に取り過ぎたファンもいたが
    いわゆる地蔵になってたということかな?それはそれで楽しみ方の一つでもあると思うんだが。

    返信削除
  3. ありがとうございます
    素直に書かれたいいレビューですね 多分ベビメタをよく知ってる方なんでしょうか 最初はひねくれてほかのバンドを引き合いに出したり紙芝居を茶化したり小難しい事いうのでするので。 気持ちよく

    返信削除
  4. いつも翻訳ありがとうございます。英語文盲を代表し感謝します。
    このレポは確かに俯瞰的だけど、文章の誠実さが感じられる。
    かの国の記者は昔からそうですね(アンチだったキム姉御を含めて)。
    それにひきかえ、日本のマスコミの不勉強さ/手のひら返しはなんなんだ。
    一見好意的に見える記事でも、違和感(流れに迎合?)を感じるのは僕だけですか?

    返信削除
  5. 翻訳有難うございます。
    BMのUSツアーの感想について、
    エンタメの経験値が高い人が書いていること。
    音楽をよく聞いて分析できる人が書いていること。
    アメリカ人のある種の潔さを感じます。
    もっと酷評されるかと心配してましたが、肯定派が多くて
    驚いています。
    否定派の意見も聞きたいですね。

    返信削除