2017年2月23日木曜日

[Homicidols] 俺のレビュー:BABYMETAL 「Metal Resistance」(過去記事)

俺のレビュー:BABYMETAL 「Metal Resistance」(過去記事)

ホミサイドル・マニアック(2016年3月30日)




俺はこのレビューを書かないつもりだった。俺はBABYMETALと「Metal Resistance」について、別のライターと手がけている、もっとずっと面白いコンセプトがあるんだが、このアルバムを聴けば聴くほど、取り組むべきことがあると感じるようになり、こんなことを言っても仕方ないかも知れないが、もう一つのことは、これを最初にやっておいた方が、ずっと良くなるはずだ。ということで。

レビューへ進もう!

2010年の結成以来、BABYMETALという存在は常に人々が関心を持つことを要求してきた。彼女たちが2014年に西欧でブレイクし始めた頃には、彼女たちは既に愛するかヘイトするかという評判を得ており、真のメタルのオーディエンスに対する紹介も同じ反応を巻き起こしていた。

当時、彼女たちはものすごく多彩なちょっとしたディスコグラフィーを備えていた。だがJポップ・ミーツ・スラッシュ・ミーツ・デス・ミーツ・パワー・バラード・ミーツその他いろいろはクセになることを証明し、新しいマテリアルの噂もほとんどないまま、2015年にデビュー・アルバムだけで基礎を築いた。

彼女たちのファン・ベースは大きくなっていった。彼女たちは、自分たちの人形や雑誌のカバーやタトゥーで、メタ・ポップ・カルチャーの試金石となっていった。三人の高校生にとっては悪くない。

だから、驚くことでもないが、彼女たちがセカンド・アルバムを発表したとき、ロックの世界全体が自動的にこのアルバムに誘導された。この新規物はうまく機能し続けるんだろうか? 彼女たちは"BABYMETAL"アルバムの素晴らしい狂気に負けないのか? これを上回ることができるのか?

実体のないものとしか表現できないものに対する、ものすごく高い期待とファンを伴い、大騒ぎとテレビ出演が予想される中、ほとんどのレビューがご機嫌を伺うような崇拝に近かったのは驚きだった。俺は何度も「ゲーム・チェンジャー(大変革をもたらすもの)」という表現を見た。「今年最高のアルバム」、「今まで聞いた中で最高のメタル・アルバム」 BABYMETALを愛している(そしてBABYMETALが好きな連中はほとんどBABYMETALを愛している)者たちはレビュー・ディスクを聞き、クイーン、スゥメタルを本当の女王に喜んでしようとしている。

要は、「Metal Resistance」はそういうものなんかじゃない。

このアルバムは、簡単なカテゴリー化を寄せ付けない音楽の、ものすごく素晴らしいコレクションだ。このアルバムはメタルで、しばしばまさにメタルで、ブルータルで美しく、素晴らしい。また、BABYMETAL以上にずっと現代のアイドル・ミーツ・メタルに基づいてる。

これは同時に本当に多くのものであり、言い換えれば、BABYMETALのアルバムだ。

だから、俺はこのアルバムにこういう風に取り組みたいと思う。中には「Metal Resistance」をメタル・アルバムとみている者もいるし、アイドルのレンズを通して見ている者もいる。アイドルがハードになることを祝福し、まとめたり、比較したりするための方法としてのみ、ジャンルを気にかける、このサイトの精神として、俺は以前の作品と比較するのではなく、それとの関係という意味で、「Metal Resistance」をBABYMETALの製品の一つと見ることにする。

俺は生まれつきの逆張り人間だ。それは反射的なスナークコンプレックスでもあるが、俺はちょっとばかり外側にいたいということでもある。だから、人々が「Metal Resistance」からのつまらないものを靴舐めしているのであれば、俺は奇跡を期待するのをやめて、その代わりに気を落とすことにした。「だいじょうぶだ」、俺は自分に言い聞かせた。「それでも良いだろう。完璧である必要はない」

さて、俺の最終的な期待は十分に満たされた。これは完璧なアルバムではないが、BABYMETALチームが誇るべき、とても良いアルバムで、しばしばデビューよりも優れているが、いくつか欠けている点もある。

なぜ俺は「Metal Resistance」を聴くのを止められないのか

ファンカム、それに横浜のライブ・ビデオの週末のサプライズ・リリースのおかげで、BABYMETALファンの多くは、エピックなスタジアムを吹っ飛ばすナンバー、"The One"に結びついた。俺は本当にあの曲が好きで、それもしばらくになる。あれは、どこか新しい国の国家に簡単になりそうな、スゥメタルが最高潮に達する、文字通り天かけるナンバーだ。

たぶん、このアルバムで三番目に素晴らしい曲だろう。

["The One"のビデオへのリンク]

「Metal Resistance」がうまくいくときには、とにかくうまくいく。個人的に気に入っているのは、ハイパーアクティブなプログレ・マッシュアップ、"Tales of the Destinies"で、この曲には、基本的にはライブで演奏できないというボーナスが付いているので、カルト的なお気に入りの曲となるだろう。それから最高のナンバー、"Amore"は、文字通り、俺が聞いた最高のアイドル・メタル・ソングだ(そして、俺はでんぱ組.incのカバーが聴きたくてたまらない)。最後にBLACK BABYMETALの"Sis. Anger"で、これはこのアルバムに求められていた最もヘビーな曲として大いに期待され、少しもそれを裏切らなかった。最初に聞いたときに、俺は次のようにツイートした。

ホミサイドル・マニアック
@homicidols
プレゼントをもらった。二語だ。「メロディック・デスコア」

そしてこの表現を支持する。

俺はまた、BLACK BABYMETALのいいカモなので、彼女たちが正直、よりメタル指向のパスコード・トラックである"GJ!"も手にしたことで、俺はとてもハッピーだ。

それ以外のトップ・ソングとしては、どこか聞き覚えのある、シンコペートした"YAVA"(以前はファンの間で"違う"として知られていた)、それから非常に親しみのあるパワー・メタルの狂乱、"Road of Resistance"(完璧なオープニング・ナンバー)、そしてもし君が好事家で、聴くことができるなら、日本オンリーの、「これほど完璧な曲は聞いたことがないぞ、何てことだフォックス・ゴッドよ」な"Syncopation"がある。これには実際には何も含まれていないが、それで構わない—これは驚くべき、プログレ風のシンセで一杯のパワー・メタルで、"BABYMETALのど真ん中"として知られる。

こうした曲には、「Metal Resistance」の真のパワーが詰まっている。このアルバムは全体として、こうした曲を含んだことで成功となった。「BABYMETAL」の"メギツネ"、"イジメ、ダメ、ゼッタイ"、そして"ヘドバンギャー"の三位一体に対して、こうした曲は良く比肩しており、オリジナルが達成したことを凌いでさえいる。どの曲も良いし、"Amore"が最高だ。

あまりうまく行っていないもの

世界にはほとんど完璧なアルバムなど存在せず、BABYMETALのような型紙破りなバンドでも、曲自体が「ああ、いいね」という感覚があるとしても、何かを試すときに必ずしも成功するとは限らない。

たとえば、ファンがちょっとでっち上げっぽい"No Rain No Rainbow"の(成長したスゥメタルによる)スタジオ録音をやかましく要求したとしても、以前よりは、このアルバムでは軽い曲に聞こえる。この問題はミックスにもあると思う。たぜ盛り上がるときにスゥメタルの声にキラキラしたピアノが競うのかは謎だ。また、音自体も古くさく聞こえる。X-JAPANへのトリビュートとしては良いだろうが、どれだけ飾り立てても、少し'90年代前半のパワー・バラードっぽく聞こえる。(それはともかくとして、俺はこの曲はものすごく好きだ。というのは、俺はこういう昔のパワー・バラードが好きで、スゥメタルが歌うものなら何でも聴くからね。)

2014年後半に登場した新曲の一つである"あわだまフィーバー"についても同じ問題がある。当時、この曲はファンを興奮させた。"ギミチョコ!!"(そして"STUPiG"やMAD CAPSULE MARKETS、それにAA=)で知られる上田剛士が創造した、文字通りのバブルガム・メタル・ソングだ。だが問題は、最終的に"ギミチョコ!!"に似すぎていて、このアルバムの残りの曲とパッケージすると、意味のない焼き直しに感じられる。ああ、とても楽しいし、このアルバムでは「最もBABYMETALらしい」曲だが、トラックリストでは一番最初に飛ばされる曲になるだろう。

やはりうまく行っていないのが、「よく分からない」"META メタ太郎"だ。これは人々がバイキング賛歌ミーツ・フレール・ジャック・ミーツ子守歌だが、うまく混じり合っていない。ボーカルは実際には素晴らしく、小学校一年生の時に歌ったような曲に合わせて、三人のメンバーで単調なインタープレイが行われる。そして、ああ、これはトリビュートだと思うが、俺にはどうでもいい。

他のコンテクストであればおそらく素晴らしい曲になるのが、"From Dusk Til Dawn"で、一種のトリップ・ホップ・ミーツ悪夢のような情感に満ちたナンバーだが、俺はこのアルバムには居場所がないように感じる。文字通り、悪い曲ではないんだが、他にあるエネルギーに合っておらず、こうしたメンバーのために作られた曲ではない。実際には、BABYMETALよりもNECRONOMIDOLの領域だ。これは海外のみのトラックなので、日本の誰かとトレードして、ずっと良い"Syncopation"の入ったアルバムと交換するといいだろう。

そしてこういうことを言うと変な奴のような気分だが、"Karate"は俺にはほとんどピンとこない(最初の反応にかかわらずだ)。一方であまりにどろどろしていて、一方ではあまりに安全すぎる。明らかに大衆を喜ばすために書かれており、このような具体的な理由から、リード・トラックとしてリリースされており、完璧に害のないロック・ラジオ・ソングだ。BABYMETALの本当の魂が欠けている。

まとめれば

あらゆる騒ぎ、あらゆる期待、あらゆるプレッシャーにもかかわらず、「Metal Resistance」は実際にはとても素晴らしい。確かに完璧ではないが、音楽ムーブメントの標準的な担い手であることにはメリットがあり、BABYMETALと作業をしている最高のライターとアレンジャー、そしてエンジニアたちは、スゥメタル、ユイメタル、モアメタルという、いじくり回し、素晴らしいものを創り上げる素晴らしい素材を手にしている。最高の80%であっても、非常に素晴らしいだろう。

だから最終的に、「Metal Resistance」は勝者だ。従来のBABYMETALファン、新しいファン、多くのアイドル・ファン、そして多くのメタルヘッドのためのものが一杯詰まっている。欠けているものがあっても、それほど大きくはない。うまくいっていれば、それはものすごい。

評価:4ハートブリード
これはとても良くできたレコードで、おそらく買って、いつも聴いて、これや似たようなアルバムを作ったアーティスト専門のウェブサイトを始めることを考えた方がいい。

究極のホミサイドル・プレイリストに追加:いまは"Karate"だけで、"Road of Resistance"は既に追加済。さらに増えることは間違いない。

▼元記事
I Review Things: Babymetal | “METAL RESISTANCE”


2 件のコメント:

  1. なにやら詳細な分析を伴う評論かと思ったら2nd俺ベストテンでワラタw
    このレビュワーは自分が振り付け見ないで評価しているのに多分気付いていないw

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    1. アルバムレビューだからいいんじゃない

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