2016年4月3日日曜日

[The Guardian] BABYMETALウェンブリー評

BABYMETALレビュー — Jポップ・ティーン・メタラーが大人に

フィル・モングレディアン(2016年4月3日)




星5 / 5

ウェンブリー・アリーナ、ロンドン
これまでで最大の英国の会場で、シュガーポップでちっちゃなアイドルたちが、自分たちはギミックではなく、使命を帯びた非凡なメタル・バンドであることを証明

デビル・ホーンは、ヘビーメタル崇拝の普遍的なシンボルだ。指と親指を合わせて鼻を作ると、この手ぶりが、フォックス・ゴッドに対するBABYMETALの寺院で掲げるキツネの影絵となる。バンドによれば、フォックス・ゴッドは、世界と分かち合う音楽を自分たちに届ける存在だ。今夜、このシンボルは、一時間半以上にわたって、筋骨たくましいメタルヘッド、幼児、そしてカワイイ女の子たちによって高く掲げられた。

2014年に、BABYMETAL熱が英国に達し、ロンドンのフォーラムにおけるヘッドライナー・ショーとして上陸した。昨年、バンドはブリクストン・アカデミーへと階段を上り、そしていま、誰もが信じられないことに、ウェンブリー・アリーナを人で一杯にした。チュチュを着た3人の十代の少女たちがフロントに立つメタルJポップ・バンドをどんなものか確かめようと好奇心と新規さは過ぎた。これは単なるメタル・ギミックではない。これは本格的で非凡な存在なのだ。

BABYMETALのセット自体が、ものすごい灰色の教会であり、少女たちは垂直に上昇するプラットホームに乗って、"Babymetal Death"のときの声の中へと上がってくる。登場から数秒のうちに、BABYMETALは歓声とサイバーゴスの狂乱、そしてBABYMETAL独自のヘッドバンギング—ポニーテイルが繊細に振れ、前後にゆれる振り子—へと入り込んでいった。

発売されたばかりのセカンド・アルバム、「Metal Resistance」は、ケープをまとったバンドメンバーのスゥメタルによるソロ・パワー・バラードを含む多くの新しいマテリアルを与えてくれる。それはスピード・メタルを間奏曲にしたユーロビジョン、それも想像できる最高の形によるものだ。セットの後半では、ナレーション画面が、ユイメタルとモアメタルがダース・ベイダーによってダークサイドに落とされてしまったと告げる。(そうならない理由がないよね?)

もはやばからしいと思えるものは存在しない。バンドはタイトであり、泣きのソロやブレイクダウンのためのスポットライトが当たる時間も十分にある。この自由なスペースと制作予算、巧みなダンス・ルーチンとトラップからバブルガム・ポップまであらゆるジャンルの融合が完璧な意味を持つ。このグループはアイドル文化の真正の産物であり、汚れのないそれぞれの少女が、私たち12,000人が崇拝するためにそこにいたように、私たちを見るためにそこにいたのだ。涙を浮かべた男たち一人一人から、崇拝の念がわき出ていた。

グランド・フィナーレ:ファンに囲まれ、きらめく三人の少女は、通路の外れで回転する。これは幸福感に満ちている。メタルを世界に届けるというBABYMETALのミッション・ステートメントは、どのライブ・ショーでも繰り返される。日本にもライブ・ストリーミングされたこのショーの会場、非メタル・ファンの存在、そして少なくとも10カ国の旗を考えると、BABYMETALは近づきつつあるように思える。メタルへの抵抗は無意味だ。

▼元記事
http://www.theguardian.com/music/2016/apr/03/babymetal-review-j-pop-teen-metallers-wembley?CMP=twt_a-music_b-gdnmusic


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